作成日 2020年6月7日
                    作成者 学士(工学)牧野耕治
                    見直日 2023年6月10日
                         
                         
  つくば隕石の速度と音速の計算と空力加熱による隕石温度の計算
                         
      (経過90秒で地上高さ約13000mとなるよう垂直方向速度に747.9m/s加え落下開始高さを
        120kmとし  北方向から15°東で突入後、自転による変移20°を受け南北線経路交差角35°
        で水平移動速度1097.4m/sとした場合。 gは、重力加速度9.8m/s2である。)    
      大気圏突入して地球の自転による方向変化直後を落下開始高さとする。    
      音速から空力加熱される飛行物体の温度を求める計算式。        
        Tah = Rac × r × Tab × Vs− 273         
        Tah : 空力加熱温度  Rac : 地上との空気濃度比  r : 形状係数    
        Tab : 絶対温度         Vs : 音速          
      絶対温度(Tab)は、273度として摂氏0度と設定している。        
      絶対温度で計算するので、摂氏温度にする為、−273度としている。摂氏-273度に  
      なる場合があるが、太陽光で温められているので、実際には、この温度ではない。  
                         
      音速は、高度が高いので地上より遅く高度により変化するが平均をとって330m/sとして
      計算している。                
                         
      地上との空気濃度比の求め方。              
      地上高度算出しその高度に対応した気圧を当日の高層気象台 (筑波) のデータから高度に
      対応するよう補正して得た。地上気圧を1013hPaとして気圧の比から空気濃度を求めた。
      地上から33.4kmまでは、同気象台のデータによる。それ以上の高さは、米国の標準大気の
      計算式から気圧を求めた。              
                         
      形状係数の決め方。                
      飛翔物体の形状によって空力加熱の影響があり、隕石は、ほぼ球体なので試行錯誤で
      1に決定した。                
                         
        表1. 経過時間5秒毎の進行方向音速の計算と空力加熱温度の計算  
                         
    経過 垂直方向 水平方向 進行方向 進行方向 地上高度 空気 形状 空力加熱温度 目視
    速度 速度 速度 音速 高さ120km 濃度 係数 空気濃度比× 飛翔物体
      V=g×t 1097.4     落下開始 地上空気   形状係数× 色・状態
      +747.9 m/s       濃度に対 r=1 絶対温度×  
                する   音速二乗-273度  
    (s) (m/s) (m/s) (m/s) (Mach) (m) (%)   (℃)  
    0 747.9 1097.4 1328.0 4.02 120000.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    5 796.9 1097.4 1356.2 4.11 116138.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    10 845.9 1097.4 1385.6 4.20 112031.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    15 894.9 1097.4 1416.0 4.29 107679.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    20 943.9 1097.4 1447.5 4.39 103082.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    25 992.9 1097.4 1479.9 4.48 98240.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    30 1041.9 1097.4 1513.2 4.59 93153.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    35 1090.9 1097.4 1547.4 4.69 87821.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    40 1139.9 1097.4 1582.3 4.79 82244.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    45 1188.9 1097.4 1618.0 4.90 76422.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    50 1237.9 1097.4 1654.3 5.01 70355.0 0.00 1 -273.0 灰色・白雲
    55 1286.9 1097.4 1691.3 5.13 64043.0 0.01 1 -272.3 灰色・白雲
    60 1335.9 1097.4 1728.8 5.24 57486.0 0.03 1 -270.8 灰色・白雲
    65 1384.9 1097.4 1767.0 5.35 50684.0 0.07 1 -267.5 灰色・白雲
    70 1433.9 1097.4 1805.6 5.47 43637.0 0.17 1 -259.1 灰色・白雲
    75 1482.9 1097.4 1844.8 5.59 36345.0 0.46 1 -233.8 灰色・白雲
    80 1531.9 1097.4 1884.4 5.71 28808.0 1.37 1 -151.0 灰色・白雲
    85 1580.9 1097.4 1924.5 5.83 21026.0 4.54 1 148.5 灰色・白雲
    90 1629.9 1097.4 1964.9 5.95 12999.0 16.2 1 1295.0 輝白色
                         
                         
                    作成日 2020年6月7日
                    作成者 学士(工学)牧野耕治
                    見直日 2023年6月10日
                         
 
 
                     
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
 
                       
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                    作成日 2020年6月7日
                    作成者 学士(工学)牧野耕治
                    見直日 2023年6月10日
                         
                         
      隕石の発光状態を秒単位で確認するために下表を作成した。        
                         
    表2. 経過時間85秒から99秒までの進行方向音速の計算と空力加熱温度の計算
                         
    経過 垂直方向 水平方向 進行方向 進行方向 地上高度 空気 形状 空力加熱温度 目視
    速度 速度 速度 音速 高さ120km 濃度 係数 空気濃度比× 飛翔物体
      V=g×t 1097.4     落下開始 地上空気   形状係数× 色・状態
      +747.9 m/s       濃度に対 r=1 絶対温度×  
                する   音速二乗-273度  
    (s) (m/s) (m/s) (m/s) (Mach) (m) (%)   (℃)  
    85 1580.9 1097.4 1924.5 5.83 21026.0 4.54 1 148.5 灰色・白雲
    86 1590.7 1097.4 1932.5 5.86 19440.2 5.81 1 270.9 灰色・白雲
    87 1600.5 1097.4 1940.6 5.88 17844.6 7.48 1 433.2 灰色・白雲
    88 1610.3 1097.4 1948.7 5.91 16239.2 9.68 1 648.5 薄ピンク
    89 1620.1 1097.4 1956.8 5.93 14624.0 12.6 1 932.4
    90 1629.9 1097.4 1964.9 5.95 12999.0 16.2 1 1295.0 輝白色
    91 1639.7 1097.4 1973.0 5.98 11364.2 20.9 1 1761.8 大閃光
    92 1649.5 1097.4 1981.2 6.00 9719.6 26.9 1 2374.9 巨大閃光
    93 1659.3 17800.0 17877.2 54.17 8065.2 34.6 0.02 5269.6 黄白色光球
    94 1669.1 17800.0 17878.1 54.18 6401.0 44.0 0.02 6776.5 黄白色光球
    95 800.0 1200.0 1442.2 4.37 5601.0 49.3 −− −−− 光球炸裂
    96 600.0 600.0 848.5 2.57 5001.0 53.4 −− −−− 熔融物拡散
    97 400.0 400.0 565.7 1.71 4601.0 56.3 −− −−− 拡散後爆発
    98 300.0 300.0 424.3 1.29 4301.0 58.6 −− −−− 高温隕石雨
    99 150.0 200.0 250.0 0.76 4151.0 59.8 −− −−− 高温隕石雨
                         
                         
         2秒間で移動した距離を時間で割った速度、表1も同様      
                         
         光球炸裂後の熔融物質・隕石雨の想定される速度        
                         
         熔融物質の目撃仰角より計算された高度と一致        
                         
         光球になったときは、完全に球になったので形状係数が小さくなる。 2023年6月10日
                         
                         
      光球炸裂後、熔融物質が広がり続けていたのでその時間を反映させた。    
      従って、黄白色光球を1秒早めた。            
      空気濃度の計算を見直しその数値を修正した。       2021年8月2日
                         
                         
      経過秒90〜92のときに巨大閃光火球になりその時の速度は、1.98km/s (マッハ6.0) 
      に達した。隕石の氷が大量に蒸発して、巨大黒雲になった。        
      経過秒93〜94のときに光球となり、その時には、17.9km/s (マッハ54.2) の速度で  
      飛翔した。             2021年8月2日
                         
      経過秒93〜94のときの空力加熱温度の計算上の数値は、実際の温度との確認が、  
      出来ていない。経過秒92までは、地上での発光色と温度の関係から確認されている。
                      2021年8月2日
                         
      光球内部の温度が、2862℃を超えると内部物質の鉄が気体になって蒸発することになる。
      光球の内部物質が熔融物質になり水のような粘性を示していたので、光球内部温度は、
      2200℃であろうと推測された。形状係数が1だとすると温度が高すぎることになり形状  
      係数を0.02とした。光球の表面温度は、5000℃から7000℃であろう。   2023年6月10日
                         
                    作成日 2020年6月7日
                    作成者 学士(工学)牧野耕治
                    見直日 2023年6月10日
                         
                         
 
                       
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
 
                       
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                    作成日 2020年6月7日
                    作成者 学士(工学)牧野耕治
                    見直日 2023年6月10日
                         
                         
          隕石落下開始高度120kmの検証      
                         
      隕石落下開始高度を120kmと設定した事が妥当であるのか、落下開始点からの水平距離
      について計算値と経路図上の測定値の比較により検証する。      
                         
        表1. 各発光状態での落下開始点からの水平距離について  
           計算値と経路図測定値の比較判定表    
                         
                         
      高度120kmより落下開始しその点からの距離計算 検 証 (経路図上での落下  
      音速度・温度計算に基づく発光状態 開始点との水平距離測定)  
      経過時間 水平方向 開始点と 高さ 計算温度 経路図 経路図 判定  
      開始点から 速度 の水平   発光状態 ポイント名 測定 誤差  
          距離       距離 2%  
      (s) (m/s) (m) (m)     (mm) 以内  
      88 1097.4 96571 16239 薄ピンク 発光開始 96.5 一致  
      89 1097.4 97669 14624        
      90 1097.4 98766 12999 輝白色 大閃光開始 98.5 一致  
      91 1097.4 99863 11364 大閃光 ---- ---- ----  
      92 1097.4 100961 9720 巨大閃光 巨大閃光 102 一致  
      93 17800.0 118761 8065 黄白色光球 ---- ---- ----  
      94 17800.0 136561 6401 黄白色光球 ---- ---- ----  
      95 1200.0 137761 5601 光球炸裂 ---- ---- ----  
      96 600.0 138361 5001 熔融物拡散 熔融物拡散 138 一致  
      97 400.0 138761 4601 拡散後爆発 ---- ---- ----  
      98 300.0 139061 4301 高温隕石雨 ---- ---- ----  
      99 200.0 139261 4151 高温隕石雨 ---- ---- ----  
                         
        経路図の縮尺は、1/1000000で、1mmは、1kmに相当する。      
                         
                         
         経過時間後の落下開始点との水平距離の計算値と経路図上での測定値の比較
                         
         熔融物質の目撃仰角より計算された高度と一致        
                         
                         
      光球炸裂後、熔融物質が広がり続けていたのでその時間を反映させた。    
      従って、黄白色光球を1秒早めた。         2021年8月2日
                         
                         
      高度120kmからの落下開始では、落下開始点との距離の計算値
        と経路図での測定距離が、発光状態の4ポイントで合った。  
                         
                         
        高度120kmからの落下開始は、妥当であると判定する。